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藤田 昭子 Akiko Fujita

 

 

野外に彫刻する意味

藤田昭子

自然の中において、与えられたスペースにどのような造形が刻まれるかをイメージすること。作品制作はアトリエという屋内ではなく屋外にあり、それを包む環境全体をひとつのキャンパスとして、地面から始まる。
作品の素材は「土」であり、手でこね上げ、指で押しながら少しずつ積み上げられる。大地とそれを支える様々な自然環境、それらと私の造形との接点を組合せ、イメージをふくらませると一つの立ち上る彫刻像となる。大地は全て大切な歴史を含み、私はそこで樹や草の糧と同じように作品を育てていくことを願う。
制作過程はその条件や作品の大きさにもよるが、指で積み上げていくその方法はかなりの時間を必要とする。「土」での制作は当然季節や風雨と共にあり、その他の諸条件にも影響される。私だけでなく、参加者の協力で長時間にわたる制作が自然、大地というキャンパスの上で始まる。
大地に「土」でつくられていく彫刻は必然的にその場で焼成される。窯なしの野外焼成には木材を使い、窯の中と同じように少しづつ温度を上げていく。これが野焼きである。この技法は、それぞれの土地と材料に合わせて焼成方法を考えるという開拓的なものだ。
大地に草を植え付けていくような彫刻建立の在り方は、私の歴史の原風景である。この活動が私の根であり、大地に見せる祭典ともいえる。私自身の存在を確認しながら「土」を手でさわってつくりだすこと。そして「火」という美しい浄化の時を迎え、灰の中に生まれ変わる土塊を見つめたいと思っている。1975年の作品「天竺」、1976年の「出縄」が建立されてから、もう長い歳月が過ぎた・・・。
今日もその彫刻群の存在を心の中に実感しながら、それがどのように在り続けるかをじっと見守っている。

藤田昭子作品

 

 

藤田昭子の野焼きによる巨大な造形.
いわゆる彫刻でも,建築でもない.むしろそんな枠を
とび越した,不思議で強烈な表現だ.
この根源的な存在感.
原始の息吹きが見る者にふきかかり身ぶるいさせる
---岡本太郎 (87年「火の光景」パルコ出版推薦文より)


最近の活動

99年1月14日〜2月15日 藤田昭子作品展「大地にささげるメッセージ」 ギャラー パスワールド
99年6月〜7月 箱根彫刻の森美術館にて野外彫刻「なゆたの船」制作
99年7月30日 箱根彫刻の森美術館野外彫刻「なゆたの舟」点火式
98年〜99年 箱根彫刻の森美術館 開館30周年記念 森に生きるかたち 企画展 関連新聞記事 1 2 3
99年6月1日〜6日 横浜市民ギャラリーにて
藤田昭子展(リンク)
99年7月   第4回家庭画報大賞インテリア部門久米麗子賞受賞

99年11月 七ケ浜の藤田昭子美術館 オープン
2000 藤田昭子ドキュメント展(5行〜5つのアトリエから〜) 藤野芸術の家 (神奈川)
2002年7月2日〜8月18日 金津創作の森・森の精三人展(福井)
2002年11月10日(日)〜12月3日 炎のメモリアル 藤田昭子展 ギャラリーパスワールド
2004 個展・思索集出版記念 (大山現代の美術館・神奈川)
2004年5月22日(土) - 6月13日(日) 彫刻6人展 ギャラリーパスワールド
2005年1月26-2月14日 サキマアートレジデンス第1回招待作家展 「 曲輪の座」 制作 佐喜眞美術館(沖縄)
2011年9月30日〜10月18日 個展 「牀坐」と「遊園」シリーズ  上野の森美術館ギャラリー

 



プロフィール
1956年 波の子造形研究所設立、3才児からの美術教育、精神に障がいを持つ児童のための美術教育を現在まて実践
1957 横浜国立大学学芸部(彫刻)卒業
1973 アトリエ・陶芸窯を設立
1982 4年問のブラジル滞在、アトリエを設立(カ ンピーナス・ブラジル)、
カンピーナス大学美術学部造形教育学料 (陶芸)教授
1998-2004 女子美術大学大学院教授

作品集・著書
1978年 「原風景 藤田昭子の燃える造形」 中島秀雄・筑摩書房
1987 「火の光景」パルコ出版
1992 「陶」シリーズ藤田昭子集 京都書院
1996 「美に生きる2」日本放送出版協会
2004 思索集「藤田昭子の原風景」

主な講演とプレゼンテーション
1979年カリフォルニア大学(ロスアンジェル ス、バークレ一・アメリカ)
84 スクリプス大学 パサディナ大学 サンパウロ 近代美術館リオデジャネイロ近代美術館
85 National Council on Education for the Ceramic Art(セントルイス・アメリカ)
国際セラミックシンポジウム招待 ハーバー フロントギャラリー(トロント・カナダ)
87 モンデ−ルアメリカ副大統領官邸 Japan Society(ニューヨーク・アメリカ)
90 西シドニー大学(シドニー・オーストラリア)
91 世田谷美術館ライブラリーギャラリー
97 世田谷美術館ライブラリーギャラリー
98 横浜市民ギャラリー「ルーマニア現代美術展」

賞歴
1979年 歴程賞
81 第1回琵琶湖彫刻展入賞

建立された野外彫刻
1975年 天竺《Tenjiku》600×700×600 (愛知県)
76 出縄《Idenawa》600×1500×1500  関連リンク 出縄を愛する会 (神奈川県)
81 波塔《Hatou》150×900×400(滋賀県)
85 大地の花《Flores Na Terra》 300×1500×1000(サンパウロ・ブラジル)
85 みみずの家《Casa Das Minohcas》 No.1 200×1100×300・ No.2 150×260×200(トロント・カナダ)
86 つばめの家《Casa Das Andorinha》 300×400×900(カンピーナス・ブラジル)
89 寄木《Yodori Ki》 220×150×150(神奈川県)
90 フレーム・ツリー《Flame Tree》 220×600×600(キングスウッド・オーストラリア)
92 クォ・バディス《Quo Vadis) 200×500×500(ハノーファーシュムンデン・ドイツ)
93 優曇波羅花《Udon Barage》 900×700×200(宮城県)気仙沼市・ リアスアーク美術館ギャラリー内建立
95 フンダリカ《The Flower of Rotus》 180×250×250(ニューデリー・インド)
97 原・集落《The Origin of Village》 400×1500×550(新潟県)・ 長岡市・国営越後丘陵公園内建立
98 ハマンジァの船《Ship of Hamangia》 60×120×130(コンスタンツァ・ルーマニア)
99 なゆたの舟《NAYUTA SHIP》 160×280×280(箱根・神奈川)・ 箱根彫刻の森美術館 森に生きるかたち展
2000 なゆたの舟 No.8 《NAYUTA SHIP No.8》 140×120×130 (平塚・神奈川) 二宮清治宅内建立
2001 なゆたの舟 《NAYUTA SHIP》 160×280×280 (宣野湾・沖縄)佐喜眞美術館内 移設
2002 牀座 《SHOUZA》 32〜62×480×280 (金津・福井)・金津創作の森 森の精三人展
(作品のサイズは高さ×幅×奥行・単位は cm)

制作記録カタログ
1991年「Flame Tree」
92 「Quo Vadis」
94 「優曇波羅花」
95 「フンダリ力」
97 「原・集落PART-1」



野焼き造形

 

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